駒の高さとハの関係

いつもありがとうございます。
三味線 結(ゆい)です。

今回は少し難しい?お話です。

結論を先に申し上げますと、
「駒の高さは、使っている三味線の状態と演奏家さんの好みを加味して選ぶとグッド!」
というお話です。

三味線のジャンルによって使われる駒は様々で、
その材質とよく使われる高さは以下の通りです。
(ご紹介するのは一部です)

■長唄…象牙など 高さ3分3厘~3分5厘
■小唄…桑、紅木など 高さ4分程度
■地唄…水牛など 高さ2分6厘~2分8厘
■民謡…象牙、舎利など 高さ3分~3分3厘
■津軽…竹など 高さ2分6厘~2分8厘

手前から、津軽の竹駒、民謡の舎利駒、小唄の桑駒です

使う駒の高さで弦高(糸から棹の面までの距離)が変わり、弾きやすさや鳴りも変わるので駒選びは重要なのですが、
それよりもまずは基準となる三味線本体のハの高さがきちんと合っているか?の方が重要なんです。

ハの高さを測るときに使う通称トンボと物差し
このようにしてハを測ります

三味線の棹に対して、胴は少しおしり(中子先)が下がるように仕込まれていますよね。

各ジャンルでどれくらいの角度で仕込むかの基準は大体決まってはいるものの、仕込む職人や演奏家さんの好みで前後することがよくありますので、その三味線のハの高さと演奏家さんの好みを加味して駒の高さを選ぶのがベストと言えそうです。

また、外れた中子を付け直したり、何回も皮張りや上場通しをしているとハの高さが変わってくるので、
「何となく弾き心地が変わったかな?」「何となく鳴りが悪くなったかな?」と感じるようになったら、
駒の高さを変えてみたりハ調整を検討してみてくださいね。

結の事務所にお越しいただければその場でハの高さを測りますので、三味線の弾き心地や鳴りが気になっている方はお気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。