糸巻が動かなくなったときの対処法

いつもありがとうございます。
三味線 結(ゆい)です。

調弦をしていたり、さあ三味線を弾こうと思ったときに糸巻が動かない!という経験はありませんか?

動かなくなった糸巻

調弦をしているときに糸巻が動かなくなるのは、糸巻を巻いているときに奥に突っ込みすぎている可能性があり、
三味線に触っていないのに糸巻が動かなくなっているときは、糸巻が湿気で膨張してかたまっている可能性があります。

どちらにしても動かなくなった糸巻を無理に動かすと糸巻にヒビが入ったり折れてしまう可能性があるので、変に触らない方が無難ですよ。
糸巻にヒビが入ってしまうと、もうそのままでは使えなくなってしまうからです。

仕込みの部分にヒビが入ってしまった糸巻

さて、本題の糸巻が動かなくなったときの対処法ですが、
動かなくなった糸巻の先に別の何かを当てて、ハンマーで軽~く叩きながら外すというものです。
文字だと分かりにくいと思いますので画像を参照してください。

こんな感じで当てて…

こんな感じでコンコンしていきます

こうなってしまったら何も触らずに三味線屋さんに持ち込むのが無難ですが、
ご自身でされる方のためにいくつか注意点を上げていきますね。

■上棹だけにして作業する

糸巻をハンマーでコンコンするとはいえ、その衝撃は三味線に伝わっていきます。
継手に余計な負荷をかけないためにも上棹だけに分解してから作業しましょう。
作業をするとき、ホゾをどこかに当てないように気を付けてくださいね。

■コンコンするときは優しくコンコンする

特に自然にかたまってしまった糸巻はコンコンしても意外と外れません。
ここで思いっきり強く叩いてしまうと、今度はあぜ(福林が仕込まれている部分)が割れてしまう可能性があります。
ここが割れてしまうと修理費用がかなり高くついてしまう(最悪直せない場合も)ので、優しく何回もコンコンするイメージで叩いてくださいね。

■糸巻と福林が一緒に外れてしまうことは覚悟する

糸巻と福林がガチガチにはまり込んで糸巻が動かなくなっているので、糸巻が外れるときに福林が一緒に外れてしまうのは仕方がないことです。
福林が外れなかったらラッキーくらいの気持ちで作業してください。

ちなみに福林が外れた場合はご自身で接着しようとせずに三味線屋さんに持ち込んでくださいね。
福林をつけるのは専門的な技術が必要で、糸巻の仕込み具合の調整は必須になります。

「三味線を弾こうと思ったら糸巻が動かないよー!」という事態を未然に防ぐのに最も簡単で効果的なのは、三味線を弾き終わったら糸巻をゆるめておくことです。

あとは正しい調弦の仕方を身に付けることですね。
これが一番難しいと思いますがとても大切なことです。

三味線を習い始めて間もない方は、曲を弾くだけではなく正しい調弦の仕方を先生から教えてもらってくださいね。