いつもありがとうございます。
結(ゆい)の布施でございます。
演奏会や大会が延期・中止になってしまい、時間ができたこの機会に
三味線のメンテナンスをしてみようとお考えの方は少なくないようです。
そんな会話の中で少し気になったことがありました。
「何か三味線が弾きづらい気がするけど三味線屋さんに聞きづらい…」
「聞いてみたけどこんなもんだと言われた」
「自分は三味線のこと何も知らないから…」
こういったふうに感じておられる方が思いのほか多いんですね。
大丈夫です!
思ったことや感じたことはストレートに聞いてみましょう。
もしストレートに聞けなくても、ご自身が感じていることにフタをしたらダメですよ。
今回はその理由をお話していきますね。
三味線を長く楽しむために大切なのは、何かおかしいという違和感
三味線は、日本の伝統楽器でありながら工芸品のような美しさを併せ持ち、
弦楽器と打楽器の要素を掛け合わせたハイブリッドな楽器です。
しかしその実、思春期の中学生のようにとてもデリケートで、
ちょっとしたことで機嫌を悪くしたり、壊れてしまうことがあります。
大切に扱っていたのに「何か鳴らない?」「何か弾きづらくなった?」と
感じることもあるでしょう。
三味線のパートナーであるあなたには、そんなパートナーのちょっとした変化のサインを見逃さず、
「何かおかしい」という違和感を大切にして頂きたいと考えています。
なぜなら、不調の早期発見・早期治療は余計な出費を抑えることにつながり、
何より楽しく三味線を弾くことにつながるからです。
そして三味線を長く楽しむことにもつながっていきます。
当工房の職人はあなたのパートナーのケアをし、必要であれば手術もします。
それが三味線のメンテナンス・修理と皮張りです。
三味線職人の技術は、あなたがいて成り立つ
当工房には木工(上場通しや糸巻き仕込みなど)を専門としている職人が1人、
皮張りを専門としている職人が2人います。
その2人も三味線を造るところから修業を積んだエキスパートですから、
修理や皮張りなどの三味線を蘇らせる・息を吹き込むことは私たちが最も得意としている技術です。
前述した通り、三味線はちょっとしたことや経年劣化で「何かおかしい」となってくることがありますが、
言い換えるとちょっとした調整で劇的ビフォーアフターになることもよくあるということです。
実際に、弾きやすくなった!というお言葉から、
14から下のツボ押さえて弾いたときのサワリがきちんとつくようになった!という具体的なご感想、
鳴らないと諦めていた三味線が鳴るようになった!という飛び上がるほど嬉しいお言葉、
何か変わった?という顔面蒼白になるようなお言葉まで、
数々のご感想を頂いてきました。
これは、次々に三味線の鳴りを良くするってすごいでしょ?という自慢話ではありません。
不調には必ず原因があり、そして解決方法があります。
冒頭でお話した「何かおかしい」という違和感を大事にされている愛好家さんのおかげで私たちはその問題の本質を捉えて解決に向かっていくことができ、
リアルなフィードバックをしてくださる愛好家さんのおかげで問題を解決することができるのです。
つまり、私たちの技術はあなたがいて成り立つということです。
まとめ
以上の話をまとめると三味線の不調を解決するのにまず大切なのは、
何かおかしいという違和感です。
そしてそれを解決するのに必要なのは、
ストレートに伝えてくださることです。
あとはこちらで技術を持って解決します。
もしあなたが大切なパートナーに対して「何かおかしい」と感じているにも関わらず、
まだ解決できていないのならどうぞお気軽にお話を聞かせてくださいね。
あなたが感じている不安を解決できるように努めます。
どうぞよろしくお願い致します。
結