三味線の胴の留め直しって?

いつもありがとうございます。
三味線 結(ゆい)の布施です。

梅雨が明けて夏になり、皮張りのご用命が増えて来ました。
昨日まで元気だった三味線が、ケースを開けて皮が破れていた…
というつらい経験をされた方も多いと思います。

確かに皮が破れるのはつらいことですが、
皮を張り直して新しい音に生まれ変わる!とポジティブに考えてみましょう。
前回張り替えてから2~3年経った三味線でしたら、音は劇的に良くなりますよ!

そんな中、お稽古もないししばらく三味線を弾かないからお金ももったいないし…
と皮が破れたまま放置する方もおられます。

結論から申し上げると、
皮が破れたまま三味線を放置すると余計に費用がかかってしまうことがあるので注意が必要です。

三味線の胴はバラバラになる

そんなわけで、
今回は三味線の胴の留め直しについてのお話です。

胴は丸みを帯びた四角形に見えますが、実は4枚の板をつなぎ合わせてできています。
つまり元々は1枚の板ですから当然バラバラに外れてしまうこともあります。

皮張りのときに胴が外れている場合、
皮張り代に胴の留め直しの費用が追加でかかります。

ではどういうときに外れる可能性があるかというと、

・胴に衝撃が加わったとき
・経年で胴の接着が弱まってきたとき
・破れた皮を放置したとき

です。

胴に衝撃が加わったときは言わずもがなですね。
経年で胴の接着が弱まってきたときというのも想像しやすいと思います。

では、問題の「破れた皮を放置したとき」についてです。

皮が張ってあるときは、四方から胴の中心に向かって張力がかかっているのでうまくバランスが取れていますが、
皮が破れると張力のバランスが崩れます。
そして皮に胴の板が少しずつ引っ張られて、留めが歪んでしまいます。

極端な図ですが、胴が歪んでいるのがわかりますか?
皮がくっついているのでまだかろうじて胴の形をしている、という状態です。
皮をめくれば胴は外れます。

たまに、裏面の皮の破れたところにテープを貼ってある胴を見かけます。
応急措置でテープを貼る分にはいいかも知れませんが、
その状態で長い期間放置すると胴の留めが歪んでくる場合があるので、
早めに新しい皮に張り替えておく方が良いです。

まとめ

三味線を弾いているときに突然胴がバラバラになることはほぼありえませんが、
胴の留めが外れているかどうかはどうやって判断したらいいの?という聞かれてもいない質問に答えてまとめてまいります。

一番分かりやすいのは、胴の留め部分を指で触ることです。

指で触ってみて段差ができていたり、
明らかに隙間ができている状態でしたら危険信号です。
留めは外れているけど皮でくっついているように見えている可能性が高いです。

しかしながら、留めのずれもなく隙間がない状態でも、
皮をめくったときに留めが外れていることが分かる場合も多々あるので、
見た目だけで判断するのは難しいです。

というわけで今回は、
三味線の胴は経年劣化や歪みでバラバラに外れるというお話でした。

最後まで読んで頂きありがとうございました。
何かの参考になれば幸いです。

今後とも結をどうぞよろしくお願い致します。